2017年06月24日

他店を圧倒するくら寿司の戦略〜ネタは良いが原価率が安い理由

回転すしチェーンが大盛況で、ファミレスなどの客を奪っています。

その中でも上位は、スシロー、くら寿司、はま寿司、かっぱ寿司の4つです。

その中で、原価率を拾ってみると、スシロー、はま寿司は50%超、くら寿司が45%、かっぱ寿司が40%程度となっています。

ところが、実際に食べに行ってみると、くら寿司のネタが非常によく見えます。かつ、くら寿司のほうがおいしいと思います。何店舗かみても、他店よりもくら寿司の方が比較的混む傾向にあります。

これについて、疑問に思ったので、どのようにして、くら寿司が原価率を下げているか、を調べてみたら、かなり色々出てきました。
MOK_susiikurai-thumb-autox1600-13575.jpg

スポンサードリンク




1 前説 
 まず、この場合の原価率、とは、食材の費用、と定義します。
くら寿司は、SEを大量に雇って独自のシステムなどを自社開発しており、ネタの費用も安く抑えていることでも有名であることから、食材以外のコストが安いだろうことはそもそも想像していました。しかし、食材の費用が5%も違うと、ネタが必然的に安くなるのでは?それは死活問題では?と思ったわけです。
先ほど述べた4つの回転すしチェーンの中で、かっぱ寿司は、原価率こそ安いですが、「安物」というイメージがついてしまい、かなり苦戦しています。
一方、くら寿司は、原価率だけみれば、かっぱ寿司やはま寿司とかっぱ寿司の中間ですが、かっぱ寿司とは差別化され、比較的高級な回転すしチェーン店の方に分類されています。
それだけでなく、高級ネタもあり、おいしいと思います。逆に、スシローは、原価率は高くても、ウニ(原価率80%近い)はありません。私にとっては軽く事件です(笑)

スポンサードリンク

2くら寿司の原価率の秘密
@ターゲット
寿司にはそれぞれのネタで原価率が違います。マグロやイクラは高く、たまごやツナは安いです。通常、同じものばかりを頼む人は少ないです。ところが、人間の中には、安いネタをたくさんめに食べる層がいます。それは、「子供」です。くら寿司は、子供をつれたファミリー層をターゲットにして、安い原価率のものを比較的多めに食べてもらうことを狙っています。これが原価を下げている1つ目の要因です。ファミリーが多く住んでいるところに多く出店し、子供が喜ぶように、無料ガチャを用意し、パフェなども用意しています。まさに子供に選ばれる回転寿司屋さんなのです。
子供に選ばれると、従う大人も大勢いると思われますw 

大人には、ネタの良さで対抗しています。原資はほかのコストダウン要因からとっていると思われます。

A大量のサブメニュー
ざっくりですが、ラーメン屋や、ファミレスの原価は30%〜35%程度と言われています。くら寿司にはほかの寿司チェーンよりも豊富なサブメニューがあります。これらのコストはいったいいくらでしょうか?
答えは探すことができなかったのですが、仮に同等のものを提供しているとすると、30〜35%程度です。つまり、寿司の平均よりも安いわけです。これらをたくさん食べればたべるほど、平均原価は落ちていくことになります。
くら寿司はデザートもかなり豊富ですが、ケーキの原価は、10〜15%などのデータもあり、かなり安いといえます。そもそも、ケーキ200円とかかなり安い額で提供していますので、原価自体を20%に上げているのあるのかもしれませんが、それでも食べてもらえれば、店側としてはかなりおいしいと思われます。
飲料では、例えば、コーヒーは原価4、50円程度のようです(コンビニもスタバも大差なし)。くら寿司は150円なので、30%程度ですね。これも、ついで飲み、がありがたいものです。

こうしたサブメニューを充実させることにより、原価率を下げ、寿司を食べたくない人がいるグループも呼び寄せることができ、ファミレスなどの客も奪えます。他店もサブメニューはありますが、くら寿司ほど充実していないと思います。

Bそもそも寿司小さくない?
くら寿司にいって、思うのは、ネタもご飯も小さいな、ということです。スシローとかはネタもご飯ももう少しドカンと大きいです。どちらがよいかは人による、と思いますが、まさに、人による、というレベルの差しかないのかな、と思います。量を多くすると、育ち盛りの若者が大量に来るかもしれない、が、彼らは高いネタも食べるし、そこまで儲からない。逆に、食べる量は少しでも良いので、子供に来てもらうほうがよく、カフェ代わりに来てもらってもいいわけです。
また、最近では、ダイエットのために、ご飯を残す人々も増えています。そんな中、わざわざご飯多くする?という疑問もでてきます。
小さいと、数も食べますしね。一石何鳥でしょうか。
一皿に一つの寿司も多いです。

スポンサードリンク




C出店戦略
スシローは業界一位の店舗数、大きい店舗が多く、店舗当たりの売り上げも一位です。
はま寿司は、出店攻勢を強めており、店舗数が2位に浮上しそうな勢いです。
かっぱ寿司は、不振のあまり、1500円程度で食べ放題を試験的に開始、いちかばちかの勝負に出ています。

一方、くら寿司は、出店数もそこまで一気に増やさず、地道に20〜30店舗増やすそうです。
なぜでしょうか?
くら寿司の出店特徴として、
・駅からいけるけど少し離れた、ロードサイドにあることが多い。
・ほかの回転すしチェーンの近くに後から出店することが多い。他の回転寿司チェーン店よりも駅から微妙に近い。

という特徴を見つけました。
ここから、「他店が儲かっている地域の近くに出店し、顧客を奪う戦略」
ではないかと私は考えています。

もともと、回転すしチェーン自体、既存の昔ながらの寿司屋の近くに出すこともあり、昔ながらの寿司屋が追い込まれる、というケースも知っています。が、後から他の回転すしチェーンの近くに出して、勝つというのはなかなか大胆だと思います。しかも、びみょーに、ライバル店よりも、駅が近いなど地理条件などが良いところにたてているケースが結構あります。寿司チェーンが二つあり、一つが少しでも大きな駅に近ければ、近いほうにいきやすいです。子供連れであれば、なおさらです。これは単なる偶然ではないと考えています。

たとえ後からその地域に参入しても、しっかりした戦略、原価率のもと、良いネタを提供し、原価率以外の部分でもコストが安く、確実にファミリー層をターゲットにできれば、他の回転すしチェーンには負けないのではないか?という自信があるのではないか、と思います。
そのため、出店ペースもあせらず、じっくりと状況を見定めながら成長することを選んでいるのではないかと思います。ライバルは寿司店でなく、他の業態かもしれません。外食は、ジャンルの境がなくなってきています(居酒屋がファミレスにシェアを奪われるなどなど)。


3 まとめ
このように、くら寿司は、明らかに他店とは違うと思われる戦略をとっています。他チェーン店でもよく似た取り組みをしているところもありますが、よく見ると、小さな差が結構あるんです。
他店は子供向けガチャガチャが有料だったり、メニューの豊富さだったり、ネタの有無だったり、寿司の管理方法=廃棄率を減らす工夫が違ったり、一記事ではとても書ききれませんし、私が気づいていないこともかなり多いと思われます。

私は、最近、くら寿司に行くたびに、高度にIT化され、戦略が練られた寿司屋の仕組みを少しずつ暴いてやろうと思っています。今は、特急レーンに興味津々ですw
みなさまも、ちょっとビジネス分析のつもりで、各々の回転すしチェーンに行かれると、これだけでなく、かなり面白いものがいろいろと見つかると思います(くら寿司以外もいろいろあります。)。
良かったらぜひちょっと興味を持ってみてください。なにかの参考にできることは多いかもしれません。


↓クリックいただけますと、励みになります。どうぞよろしくお願いします(^^)
このエントリーをはてなブックマークに追加

人気ブログランキングへ
↑今何位でしょうか?
にほんブログ村 ニュースブログ ニュース批評へ
にほんブログ村
↑こちらは今何位でしょうか?


スポンサードリンク




posted by newser at 19:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月17日

加計学園問題を考える 批判すべきポイントと当たり前のこと

加計学園問題がようやくクローズアップされてきました。マスコミの報道だと、全てが悪いように書かれていることも多いのですが、実際には、悪くないポイントと悪いポイントが混ざっていますので、いったいどこが批判すべきポイントなのかを、全体の構造を俯瞰しつつ、書いていこうかと思います。

1 そもそも特区とは何か
一番に理解しなくてはいけないのは、加計学園も森友学園もそうなのですが、「特区」の枠組みの案件である、ということです。

特区の他の案件でもそうなのですが、今までの制度で規制されている地域や企業よりも明らかに特別扱いをされるわけです。そして、それは、規制を打破し、新しいサービスや価値を生み出すなどの目的をもっているから許されるわけです。
森友学園問題で、財務省幹部が「特別」と発言したようですが、特区は特別区域であり、はなから特別なのは当たり前です。そんな発言をとったところで別にたいしたことはありません。

また、加計学園の問題で、文部科学省の幹部に、総理の意向があるという内部文書が流れているということですが、内閣主導の特区である以上、ある程度総理の意向があるのは当然であり、よほどのことが書いている&総理の直接的な関与が認められない限り、法律的にアウトと認定するのは難しいと思います。総理自身が書いたものではないですしね。

スポンサードリンク




(関連:森友学園記事)
森友学園問題は何が問題か(前編) 大前提として籠池氏が大嘘つきである
森友学園問題は何が問題か(後編)
森友学園問題 籠池氏答弁の矛盾、真相予測、更なる今後の課題

そうではなくて、特区とすることで国として、得られそうな利益(新しいサービスが創設される、経済効果がでるなど国としての利益になります)と特定の事業者に与えられる優遇が釣り合っているかどうかがポイントになります。

たいしたサービスも発掘しそうにないのに特定の事業者にジャブジャブお金を与えていればアウトになります。

しかし、そもそも「釣り合うかどうか」については、結構分析が必要ですし、恣意性が入りやすいです。いろんな学者の意見があるので、都合のよい経済効果が比較的作りやすく、極端な高額の補助でない限り、アウトであるとは言いづらいでしょう。市民から見ても無駄だと思う公共事業なんかは、こんな感じで経済効果が「作られている」ものも多いかと思います。

ただし、加計学園の場合は、土地と建設費などで132億円もあるそうなので、確認する必要があるかと思います。一事業者にビジネスとして支払う額としても大きいのに、あげる額としては大きすぎます。貸与ならまだしも。他の例でもそんなにあげているでしょうか。

また、得られそうな利益、については、ビジネスとして存続していくことが前提ですが、ほんとうにビジネスとして存続できるのでしょうか?私が担当者なら獣医学会の意見をぜひきいておきたいところですが、今回の獣医学部新設の際には一切聞いていないようです。ふつう関係者の意見はきくのに、かなりバランスが悪いですね。
PAK105215319_TP_V.jpg

2 加計学園の選定方法の問題点

加計学園の選定方法で問題とされているのが、地域を限定して獣医学部の新設の募集をしたところです。
地域を限定して、獣医学部がない地域に新設する、ということを要件として後から加えたことをもって批判している記事があるようです。これに対して書き加えますが、まず、ほんとうに後から加えたのであれば問題ですが、通常、後から加えるということはありません。このケースでも、公募が始まった時点では地域はすでに限定されています。つまり、正常な手続きが取られているわけです。

では、問題はどこなのか。

1 本当に地域を限定する必然性があったのか、それは適切な範囲であったのか
ただでさえ少ない獣医学部ですが、国家戦略特区である今治市や広島に限定して募集する必要があったのか、必要以上に狭すぎやしないか、ということです。私ならこう言います。
@現状、あまりにも少ない獣医学部について、今治市や広島だけに限定するのはおかしい、少なくとも、今、獣医学部がない県にも拡大すべき。また、全国各地域のペットなどの実数と四国や広島を中心に特に獣医が足りない証拠を示してください。さらに、獣医学部の空白地域が四国だけとされているが、私立大学や、獣医学科などは他にも多数存在しており、特に今治市や広島に限定する必要はないと考えるがどうか。特定地域に利することになりはしないか。
A公募期間が一週間しかなかったが、特区の緊急性を考えても、適切だったか。
B獣医学会の反対意見があったにも関わらず、会議にも一度も呼ばなかったが、会議の運営は適切であったか。
以上を踏まえてもう一度公募をやり直すべき。

まぁ、こうしたケースの場合、事前の折衝により、公募の前にほとんど決まってしまっているわけです。他の事業者も、公募の前から動きをある程度察知していたとしても、よほど強力な論理と準備がないと勝てません。マスコミとかも使わないと勝てないでしょう。こうしたケースは大小たくさんあります。
しかしながら、もしも、公募の際の設定条件が全て適切であれば、こうしたケースでもなかなか文句をいえません(あやしさ満点ですが)。

ところが、今回のケースはそれで終わりません。今回は、加計学園の理事長が安倍首相と懇意であることがおもいっきりばれています。これが、最大の問題点です。(森友学園の時は個人的関係がそこまで近しいとも思えなかった)
仮に、ここまで全てが問題なかったとしても、結果的に安倍首相と懇意である人に利益がわたったとなると、不当な権力の行使が疑われます。というか、疑われること自体が少なくとも倫理的に、場合により法律的にもアウトです。

通常の政策では、こんなあからさまに怪しい、明らかな利益誘導はおこりえないです。少なくとも一社入札の時点で、あやしさ満点なので、いろいろな業者に声をかけます。こんなざっくりしたやりかたは、政治主導の可能性がきわめて高いです。仮に安倍首相主導ではなかったとしても、です。

(脱線)法律なんかでも政治主導で作ると雑な法律が出来上がることがままあり、たいてい後から困ります(無電柱化推進法案とか)。

スポンサードリンク




3 そもそも構造改革特区の人員構成、運営は問題ないのか

特区の中で、最近、森友学園、加計学園と二つ叩かれています。
そもそも、これらはどういう体制で決まったのか関心が出てきました。
そこで国家戦略特別区域諮問会議の構成議員をチェックしてみました。

すると、驚くべきことに、法律の専門家が入っていません。政治家,経済の専門家や企業の人ばかりです。
実際には、企業や自治体の人も入ってくるとはいえ、法律の概念が弱いとなると、コンプライアンス大丈夫かよ、とか制度こうなってるけど、とか強力にいう人がいなかった可能性があります。

こうした構成員の選定については、通常、バランスよくやるわけですが、構成員の選定からすでに政治主導で決めているのでしょう。別にできるなら全然いいんですが、こうした案件で法律学者を抜くとかは、通常はありえません。内閣のやりたい放題なのではないでしょうか。構成員の選定がへたくそなのは内閣やNHK会長だけではなかったのですね、、、

安倍第二次政権以降の新しい構造改革特区は、そもそも官邸主導の度合いが強くなっています。逆に言えば、官邸でなんでも決めなければならない、という気持ちになってしまい、知っているところを手当たり次第に引っ張ってきたのでしょうか。。。?

地域の特別区域会議の構成員も公募はしていますが、平成26年頃に2週間だった特区構成員募集の公募期間も最近は1週間程度になっています。適切な人材が常にこの情報をHPでチェックしていて、一週間で全て人員が集まるなんてことは通常ないので、事前にある程度声をかけていて、ほぼそのとおりに決まっているものと推察されます(そもそも選定基準はわからないし)。

また、政治案件なのである程度いそぐことは理由になるとしても、通常、官庁のパブリックコメントや公募は基本一か月程度取ります。また、契約関係では、随意契約を避けるために、最低10日は必要なことになっています。10日をきるのは、のちのち契約を行う主体の構成員の選定としてはまずいと思います。

こうしてみてみると、安倍政権の三本目の矢の柱となる規制緩和を率先して行う特区の枠組みや運営自体が怪しいのかな、と思います。他の案件もよくみてみると、色々あります。また特におかしなところがあれば、適宜ピックアップしたいと思います。


↓クリックいただけますと、励みになります。どうぞよろしくお願いします(^^)
このエントリーをはてなブックマークに追加

人気ブログランキングへ
↑今何位でしょうか?
にほんブログ村 ニュースブログ ニュース批評へ
にほんブログ村
↑こちらは今何位でしょうか?


スポンサードリンク





posted by newser at 15:06| Comment(12) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月12日

新しいタバコ規制は非喫煙者にとって有害になる危険がある

現在、新しいタバコ規制が動き出しています。筆者はタバコを吸わない(何度も吸ったことはあるし、おいしさも理解できるが、できればなくなればよいというスタンス)が、吸う人は周りにそこそこいるので、副流煙を受けています。吸っている人よりも副流煙を受けている人の方が健康に害があるという話もある中、新しいタバコ規制の議論の動向が多少おかしな方向に推移しており、非喫煙者にとって、無視できないものになる可能性があります。タバコ規制の経緯と問題点、よりよい対策を考えます。


スポンサードリンク





1 タバコ規制を今、声高に叫ぶ理由

そもそも、なぜ、今、タバコ規制の議論が盛り上がっているか、ということから説明します。

東京オリンピックの開催が決まりました。オリンピックを開催する時には、オリンピック開催国(都市)が世界から見られます。長所ももちろん見られますが、短所も見られます。そして、場合により、是正や批判を受けます。それは、オリンピック開催中だけでなく、開催前からはじまっています。治安の良さ、政治的安定性、テロ対策、といった一般的なものだけでなく、近年はタバコ規制の良し悪しなんかもみる風潮にあります。

特に、いま、日本のたばこ規制に文句をつけているのが、WHO(世界保健機関)です。この国際機関は、メインの仕事としては、世界の恵まれない子供に医療的支援をしたりしています。第二次大戦後や、アフリカの独立など、世界に戦争が起こった後くらいは、貧しい人々も多く、やることが多かったため、大きな組織となっています。しかし、今は以前ほど貧しい人々ばかりではなく、組織が肥大化しすぎたため、この食品を食べたら癌になりやすいとか、タバコの規制といった、本当にそこまで国際機関がやるべきなのかどうか、というような、比較的小さなところにまで力を入れている国際機関になってしまっています。あわせて、そもそもそれは正しいのか?ということも言っています。

例、損失余命って何? 欠点は?


さて、これまで、日本では、タバコの対策として、主に分煙を進めてきました。しかしながら、WHOとしては、原則、屋内で吸うこと自体がダメである、と言っています。日本では、これに反対する人々が根強くいるため、小さなバーなどではOK,それ以外はダメ、ということにしようとしています。これで、WHOの要望をのもう、としているわけです。

これだけならば、悪くない話に聞こえますが、実は、これと同時にもっと議論されなければいけないことが、こっそりルール化されようとしています。それは、アイコス(iQOS)、プルームテックの登場で、最近はやりの電子タバコについてのルールです。


2 電子タバコの害とルールを考える

現在、実態としては、電子タバコは、煙(本当は水蒸気)も出ることから、喫煙エリアで吸うことを求められるケースが多いです。これは、あくまで、マナーとして、または、店の決まりで決めている、というような状態であって、法律的には問題ありません。

ところが、現在進んでいるタバコ規制の議論では、電子タバコはどこで吸ってもいい、と政府がお墨付きを与えそうな状況なのです。これを私は問題視しています。

電子タバコは、ニコチンが通常のタバコよりも少ない、または含まれておらず、副流煙もそこまで害がない、とされています。そのため、どこで吸っても良い、というのが禁煙先進国では多いようです。事実、禁煙先進国の一つ、アメリカでは、レストランのどこでも電子タバコを吸っているようです。

ところが、電子タバコを調べると、副流煙に害がない、なんていうことは全くありません。ニコチンの害は通常減りますが、それとは別に、電子タバコの燃焼に伴い発生する物質(ホルムアルデヒドなど)のいくつもに健康に悪い物質が含まれることが指摘されはじめています。普通のタバコよりも悪いのではないか?と主張する研究者もいます。これたについての研究はまだそこまで進んでいません。しかし、立証されていないことをいいことに、ニコチンの量などが減ることだけを理由に、なし崩し的にOKにしようとしているのです(この流れ自体は海外も一緒)。健康に悪い物質は、副流煙にも混じります。

さて、現状、飲食店の店内で分煙をしているところが多いが、これが、普通のタバコは店内のどこでも吸えないが、電子タバコは非喫煙者の横だろうが赤ちゃんの横だろうが、どこで吸ってもよい、という状況に変えられそうになっています。
これは、喫煙をしない人々にとって必ずしも朗報とはいえない状況になると思われます。

レストラン内、子供の前で電子タバコをガンガン吸うことなどが問題となり、アメリカ・欧州では、非喫煙者と、電子タバコを吸う人の分煙を検討しているようです。電子タバコにまつわる問題点が明らかになりつつある以上、やるのであれば、日本も少なくともアメリカ・欧州と同じレベルを目指すべきかと思っています。
タバコに比べて害が少なくなっているかどうかよくわからない電子タバコを店内のどこでも吸えるようになるというのは、逆効果になりかねません。
例えば、喫煙所では、タバコの煙を吸う空気清浄機などが設置されている、窓際であるなど色々と工夫されていますが、そうしたケースなどと比べても、新しい規制は、非喫煙者にとって果たしてよいものといえるでしょうか?

スポンサードリンク





3 喫煙者の行き先を考える

とはいえ、じゃあどこでタバコを吸えばよいのか、という議論はあると思います(個人的には、吸わなきゃいいと思うんですが、別に喫煙者を排斥、糾弾する気もないです。)。
実は、世界では、屋外で吸うことを日本ほど規制している国はあまり見当たりません。日本では、歩きたばこによる事故(子供の目に入るなど)がかなりクローズアップされた結果、屋外では、決められた場所しか吸えなくなっています。その結果、喫煙者は、数少ない喫煙所を求めてしばしばさまよい歩くことになります。
(この辺のMAPをもっと充実させてもよいと思っています。)

しかし、よく考えれば、止まって節度ある場所で吸うのであれば、別に、屋外でまで、喫煙所で固まって吸う必要もないのではないかと思います。子供が周りにいないような場所で、止まってタバコを吸っている時に、タバコが子供の目に入ることはなかなか想定しにくいかと思います。
むしろ、喫煙所で吸っていると、他の喫煙者の副流煙を相当受けるわけですが、喫煙者だって、いくら副流煙を受けても良いのでしょうか?健康という観点から考えると、喫煙者でも副流煙を受けないに越したことはないと思います。そう考えると、喫煙所という煙たい場所に喫煙者を押し込めている現状にも疑問が残ります。
(喫煙所での仕事などでの情報交換とかは有意義だと思いますけどね。)

子供の誤飲、火災防止のためにも、タバコの灰、吸い殻をそのへんに捨てられると困るので、灰皿の携帯をマストにしていただいて、ポイ捨てをした場合には厳しい罰則を課すかわりに、場所については「節度ある場所」で吸う、という程度で良いのではないかと考えています。●●区は全面禁止、などというのは個人的には嫌いではないのですが、政治的パフォーマンスの意味合いが強い気がしており、弱者の意見を聞いていないような気もします。

この規制方法であれば、屋外における喫煙についてそこまで規制を課していない、WHOが妥当と考える範囲内ですし、喫煙者も気をつけて吸えば、場所を探し歩くこともしなくてすみます。
ookawatabako20150201184413_TP_V.jpg

4 電子タバコ喫煙者を新たなジャンルとして考えるべき

WHOの今のたばこ規制は、禁煙先進国のアメリカ・欧州などの状況を踏まえておらず、いささか時代遅れの考え方を元に行っています。日本はさらに遅れているため、一周遅れのWHOに従い改善しようとしていますが、その結果、非喫煙者がレストランなど屋内で一層タバコの副流煙など有害物質を吸うことになるという結果が導かれる可能性があります。

多くの個人が電子タバコが買えないような途上国であれば、店内で、通常のタバコ:×、電子タバコ:○にすれば、電子タバコを買える人が少ないため、店内での非喫煙者の受動喫煙は減りますが、
多くの個人が電子タバコを買えるような国で、店内で通常のタバコ:×、電子タバコ:○にすれば、電子タバコをどこでも吸えるようになることで、店内のどこでも電子タバコの副流煙がでて、誰もが受動喫煙の被害を受ける、ということになります。

電子タバコの受動喫煙が健康に与える被害が十分わからない中、新たなタバコの規制は、非喫煙者にとって、逆効果の可能性があるということです。

タバコ対策をする際には、きちんと先進国の動向、議論を踏まえ、適切な対処をすることが必要だと思います。今のままでは、多くの人の健康被害を増やすことにもなりかねません。国際機関に言われたからそのとおり是正してみる、というのではなくて、もっと考えて制度を考え直すべきだと思います。

少なくとも、今の非喫煙者、喫煙者の2つの分け方ではなく、非喫煙者、タバコ、電子タバコの3つに分け、それぞれに議論することが、その一歩目だと思っています。日本の議論はかなり遅れています。
同時に、この議論、まだまだ着地点がみえません。気になる人はぜひ注視しておく議論だと思います。

↓クリックいただけますと、励みになります。どうぞよろしくお願いします(^^)
このエントリーをはてなブックマークに追加

人気ブログランキングへ
↑今何位でしょうか?
にほんブログ村 ニュースブログ ニュース批評へ
にほんブログ村
↑こちらは今何位でしょうか?


スポンサードリンク





posted by newser at 18:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする