2017年03月13日

日本語ラップのプチ流行と今後のマネタイズを模索してみる

TVで、「フリースタイルダンジョン」という番組が始まって1年半ほどは経っていて、これを契機に日本語ラップ、ラップ(フリースタイル)バトルのブームが起きはじめてからしばらく経ちます。いつまで続くかなーと思っていますが、結構長いこと続いています。文化として根付くでしょうか?
特にラップバトルに関しては、即興の言葉のシャワーがすごく気持ちよいです。良かったらTVででも一度見てみてください(深夜にやっている局も多いでしょうが)。

日本語ラップは、普通の音楽番組を見ていても、出てくることはほとんどなく、一部のお笑い番組とかでゲストで呼ばれたり、CMに使われたりしている程度なので、知らない人は結構まだいるのかなと思いますが、TVでの露出や見えない音楽界への貢献はかなり増えていると思います。


少なくともライムスターやキングギドラというラップ界では著名なアーティストを知らない一般の人にとっては、これ以前にラップが流行ったなーと思ったのは、せいぜい、1999年頃、DRAGON ASHのGRATEFUL DAYSや嵐のA・RA・SHI、KICK THE CAN CREWやそのメンバーのKREVAが取りざたされたときくらいではないでしょうか。17年も前になります。

その頃には、すでに、B−BOY PARKなどの大きなラップの大会ははじまっていて、形を変えながらも、延々と続けられています。単純に攻撃しあうだけでなく、社会風刺や恋愛など内容も多角化し、韻やフロウなどの技術も格段にアップしています。

ラップバトルでは、オーディエンスの声援や、押印の踏み具合、曲にあっているかどうか、言葉に説得力があるかどうか、相手が言ったことにきちんと答えているかどうか等を吟味し、数人の判定員やオーディエンスの声援で総合的に勝敗を判断します。

自分の腕を磨き、これに勝っていくことで、ラップ界での名声を上げて、レーベルに所属したり、CDを買ってもらったりして、売れるチャンスをつかんだりします。


ラップバトル、フリースタイルダンジョンが今流行っている理由として、
私が思うところ、

1、LIVE感覚が受けている気がします。

音楽業界は不況といいますが、近年、ライブの売り上げは上がっています。売り上げが落ちているのはCDなどです。
ラップバトルは、何を言うか事前に決めているわけではありませんし、基本的にはその場でしか聞けません。また、行ったことがある方ならわかりますが、会場の盛り上がり、雰囲気も独特です。好きな人はわりとはまります。


2 目新しい「バトル」のひとつであることも理由の一つかと思います。
ラップは聞いたことはあっても、格闘技などのバトルはみたことがあっても、音楽のバトルはあまり見たことがなく、面白いと思っている人が多いような気がします。
ある意味ラップバトルは、現代の俳句や短歌、和歌などの詠みあいみたいなものだと思っています。

小式部内侍が、意地悪な奴に、歌が上手いお母さん(和泉式部)からの手紙がないと、歌会で歌よめなくて困るだろーほんとは歌なんて読めないんだろーと言われたときに、意地悪を言ったやつの袖をぎゅっとつかんで、「大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみもみず 天の橋立」、と即興で歌うようなものです。古文でやったやつです。

もちろん、音楽性もありますが、通常の音楽に比べると、メッセージ性が強く、何を言ったかに焦点が当たることが多いです。


3、TVでやっているフリースタイルダンジョンは、勝敗が簡潔につくことも流行っている要因だと思います。
実際のラップバトルの大会に行くと、延長が非常に多いです。これは、観客がラップバトル好きな人が多く、明確な決着がつくまで僅差であれば延長する、それまでラップを楽しむという文化があるからだと思います。これに対し、フリースタイルダンジョンは、観客の声援にポイントはなく、判定員も5人、判定しないということもできないため、必ず決着がつきます。実際のラップバトルの大会よりもわかりやすく、簡潔にしており、この設定が、TVのユーザーにも受けたのだと思います。この点、オーガナイザーのZEEBRAの設定が大変うまいと思います。


このように、いくつかの要因などで、少しヒットしている日本語ラップですが、深刻な問題をかかえています。お金を稼げている人が相当少ないのです。

一部の人は、バトルで有名になり、音楽を作り、音楽を買ってもらうことや音楽会社に所属して生計を成り立たせていますが、サラリーマンやバイトをやったりして、なんとか生計をたてている人が多いです。

音楽が売れなくて困ること自体をラップにしている人も多いくらい苦しいようです。
しかも、所属会社から給料の支払いがないなどのトラブルも一部では起こっています。
今後ブームが続くかどうかは、業界の内側から崩壊する可能性もあり、若干過渡期かな、とも思っています。
(UMBとKING OF KINGSという大きな大会のすみわけができたことでとりあえずの一山は超えたかもしれませんが)

そうした中で、文化として根ざすためには、少しでもマネタイズのチャネルを増やしていくことが必要かと思います。一部のアーティストは、ライブ、CD以外にも、ラップ教室の運営、CMやTV番組、ラジオ、漫画への出演などをしています。しかし、まだまだ少ないようです。そもそも音楽の域をなかなか出られていない気がします。

音楽業界全体がマネタイズに苦労する中、同じことをしていれば、その一部門である、ラップが苦労するのは必然です。

ラップは、言葉を使うので、比較的他の分野とコラボしやすいと思います。
すでに、「R−指定(アーティスト名)」はABEMA TVのCMで、オリジナルなラップを歌っています。言葉がうまいので、ひな壇とかを狙ってみてもよいのかもしれません。

曲としては、「サイプレス上野とロベルト吉野」が、新日本プロレスに曲の提供をしました。ブシロードが買収して以降、他ジャンルとのコラボレーションによりマネタイズを加速している最近の新日本プロレスとのコラボレーションが、良い影響を与えていればよいな、と思います。

しばらくは、他ジャンルに進出し、マネタイズできそうなチャネルを探り続ける努力を地道に続けるしかないような気がします。

ジャンルは違いますが、他ジャンルの進出によるマネタイズの例として、参考になりそうなのは、新日本プロレスだと思っています。
新日本プロレスは、カードゲーム会社のブシロードが買収して以降、積極的に他ジャンルとの交流をはかり、経営を改善しています。
例えば、カードゲーム、ゲーム、ラップ、ドラえもん、スイーツ、写真集、などなど昔のプロレスのイメージでは考えつかなかったジャンルとまでコラボし、ファン層の多様化を狙っています。

ラップも、ラップでニュースやったり、ラップバトルで政治討論会やったり、子供とラップやったり、動物の立場でラップしてみたり、さらなる多様化の中で、面白いと思うユーザーが増え、ラップがもっと身近なものに浸透するようにしていけば日本語ラップが文化として根付くかもしれません。
どうしても敷居が高いですよね。ラップバトルやるのは難しいですし。まだまだ、ラップが定着するかどうかの試みは、始まったばかりな気がします。

最後に、興味が出た方のために、いくつか動画のリンクを貼っておきます☆

フリースタイルダンジョンの最近の一つの回です。
9分からはじまる、熱いライムのNAIKAMCと、韻を踏むことがうまいFORKの試合がとても良く、かなりハイレベルな試合の一つです。



人間対パソコンという設定で、ラップバトルが繰り広げられます。
人間 vs PC RapBattle【DOTAMA vs dynabook】



日本一のラッパーのR-指定が口説きラップをしています。こういうのも最近増えています。



呂布カルマVS鎮座ドープネス 熱い言葉と独特のスタイルで勝負する人同士の対戦です。


as oneの宣伝動画 2対2や、3対3で戦うバトルも増えています。
途中の、DOTAMA、ACE対サイプレス上野、ダースレイダーが面白く仕上がっています。



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posted by newser at 11:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 芸能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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